朱塗りの社殿が鮮やかな熊野那智大社は熊野三山の聖地として信仰されています。熊野造りと呼ばれる独自の建築様式の本殿が5棟立ち並び、主祭神には熊野夫須美大神が祭られている。宝物殿には国の重要文化財に指定されている熊野権現曼荼羅、熊野那智大社文書など熊野信仰の歴史を伝える品々が展示されています。
「那智山」とは、大雲取山(966m)、烏帽子山(871m)、光ヶ峯(688m)、妙法山(750m)を総称したものとされていますが、「紀伊名所図会」には、妙法山を「那智山峰の第一なり」と記されていたり、またこの地域では子供が泣き出すと「そら、那智山が曇ってきたぞ!」と言いながら妙法山を指して泣きやませる風習があることからも、いつの頃からか那智山と言うと妙法山の事と言うイメージが出来てしまったようです。
原生林におおわれた妙法山の中腹からは、神の代の激情をほとばしらせるかのように白い一筋の輝きが落下します。花山院が「石走る滝」と詠み、天つ水と仰がれる那智ノ大滝です。熊野三山のなかでも、この滝は特にダイナミックに参拝者の心にまで飛び込んできます。そのため特別なパワースポットとしてこの滝を訪れる人も多いようです。山中を垂直に落ちるこの輝きは、黒潮に乗ってやってきた人々の目をひき、そこに聖なる力が宿ると見られたに違いありません。
この那智の滝の近くにある大門坂は、うっそうとした杉木立の間を苔むした石畳がつづく、熊野古道の書籍などに写真として多く取り上げられる名所でもあります。
(参考文献:向陽書房 熊野古道 中辺路と大辺路)
熊野那智大社の祭神
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